YAMAHAアビテックス・KAWAIナサールが部屋に入らない!? 防音室の搬入で地獄を見ないための完全ガイド

家に防音室を搬入しようとしている業者のペンギン ユニット防音室のお悩み解決

ピアノやバイオリンの練習、ボーカルやDTMの録音、あるいはテレワークや配信環境の整備――。

「自宅で思い切り音を出せる空間が欲しい!」そんな願いを叶えてくれるのが、ユニット防音室「YAMAHA アビテックス」や「KAWAI ナサール」です。

しかし、ここで発生するのが恐怖のトラブル。

「7階なのにエレベーターに入らないんですけど…?」

「階段で曲がらないから2階に置けない!?」

「マンションの管理人に止められた…!」

夢の防音室が一転して悪夢に変わる瞬間です。

今回は、防音室の購入者が直面しがちな“部屋に入らない問題”を徹底的にご紹介。
失敗しないための完全ガイドをお届けします。


第一の関門:家の前に車は停められるのか?

防音室搬入のスタート地点は「トラックをどこに停められるか」です。

都心部の住宅街に多いのが、一方通行の狭い道路や、袋小路に面した玄関口。こうした場所では、業
のトラックを真ん前に停められないことが珍しくありません。

よくあるシーン:「搬入の日、業者さんが来て開口一番『これ、前に停められないっすね』と言われたんです。結局、300メートル先のコインパーキングに停めて、スタッフ3人が交代で手運びすることに…。汗だくになっている姿を見て、なんだか申し訳ないやら心苦しいやら。しかも追加料金が発生してトータルで数万円も余計にかかりました。」

搬入距離が長くなれば、それだけ労力も費用も増えます。場合によっては「運搬用の台車」や「追加スタッフ」が必要になることも。

夢の防音室が「予想外の出費地獄」にならないよう、事前に駐車スペースは確認しましょう。


第二の関門:マンション管理組合の許可問題

管理会社に許可をもらう入居者

マンション住まいの方は「管理会社・管理組合の許可」を軽視してはいけません。

厳しいマンションでは、「搬入申請書」「搬入計画図」「養生計画」の提出が必要な場合もあります。これを怠ると、当日エントランスで作業が止められるという最悪の展開が待っています。

某マンションでは「申請がないとエレベーター使用禁止」というルールがあり、結果的に階段での手運びに切り替えざるを得なかった事例があります。その分の人件費はもちろん購入者負担…。

さらに「養生問題」も無視できません。

養生とは、共用部分の壁や床に保護シートを敷く作業のこと。
これをしないと傷トラブルに発展するため基本的に必須なのですが、マンションによっては通る床から壁から全てに養生を求められるケースがあります。
用意している養生資材には限りがありますので、足りなければ即アウト。
搬入延期となり、再訪費用が発生することもあります。

つまり、マンション住まいなら必ず「事前に管理会社へ確認」「書類提出」を済ませること。これを忘れると、せっかくの防音室が“ただの大きな荷物”のまま玄関で立ち往生してしまいます。


第三の関門:階段は最大の難所

「2階に設置したい」という希望はとても多いです。リビングを圧迫したくない、子どもの練習部屋を2階に作りたい、そうしたニーズは自然なものです。
防音室の湿気問題を軽減するためにも、2階への設置はオススメです。

しかし、階段は防音室搬入において最大の鬼門。

よくあるシーン:「うちはメゾネットで、2階に置くつもりでした。搬入当日、業者さんが階段でなにやら苦労している様子。パネルを持ちながら首をかしげて、『これ…曲がり角、通らないかも』と。何度か挑戦したもののやっぱり無理で、泣く泣く1階に設置。リビングが狭くなり、ちょっと損した気持ちになりました。」

パネルは一部分解して小さくできるタイプもありますが、ハイタイプや幅の広いモデルでは階段の踊り場を通過できないことがあります。

不安な場合は躊躇わずに相談ください。


第四の関門:エレベーターの落とし穴

「うちはエレベーター付きだから安心」――そう思っている方、要注意です。

古いマンションや低層住宅用の小型エレベーターは、防音室を運ぶには奥行きや高さが不足していることがあります。特に防音室の大型パネルは、どう頑張っても入らない場合があります。

エレベーターに載せられず、結局階段でビルの8階まで運んだケースもあります。
もちろん、その分の追加料金は発生してしまいます。

事前にエレベーターの「有効寸法(高さ・幅・奥行き)」を確認し、防音室のパネルサイズと照らし合わせておく必要があります。


第五の関門:設置場所の柱・梁・天井高

搬入ルートをクリアしても、最後に待っているのが「設置場所の問題」です。

柱や梁(はり)が干渉するところには、防音室の組み立てができません。漠然と「まあ大丈夫だろう。」と考えていた小さな梁が致命的な障害になることもあります。

また、床の高さの違いにも注意が必要です。

新築マンションでも数ミリ〜数センチ、多いところでは3cmほど、床の高さに違いがあることがあります。特に床材をリフォームしている場合、この誤差が大きくなる傾向があります。

防音室は最も高い部分に合わせて床の高さ調整をして設置するため、天井との間には最低でも5センチ余裕を持っておきたいです。

これを知らずに設置しようとすると、「梁に当たって設置予定スペースに収まらない。」「天井に当たって組み立てられない」という悲劇が起きます。


プロの下見を依頼するのが最強の対策

プロのペンギン

結局のところ、最も確実なのは「プロに下見を依頼する」ことです。

搬入専門業者はルートを実際に歩いて確認し、寸法を測り、問題がないかをチェックしてくれます。
下見費用はかかりますが、失敗したときの損失に比べれば安すぎる投資です。

また、数多くの事例を経験しているため、「今回の防音室モデルなら分解搬入可能」といった嬉しい誤算や、「この部屋ではエアコン設置できないのでは?」といった、気づかなかった問題を事前に発覚させることもできます。


まとめ

YAMAHAアビテックスやKAWAIナサールは、自宅で音を楽しみたい人にとって最高の設備です。

しかし、その夢を現実にするためには「搬入経路」「管理規約」「階段・エレベーター」「柱や梁の有無」など、複数の関門を突破しなければなりません。

準備不足のまま購入してしまうと、「入らない」「置けない」「追加費用が発生する」という三重苦に陥る危険性があります。

だからこそ、購入を決める前に必ず「駐車スペース」「搬入経路」「管理会社の許可」「設置場所の寸法」をチェックし、できればプロの下見を依頼してください。

夢の防音室ライフをスタートさせるために、ぜひこの記事を“設置前の教科書”として役立ててください。

そして、無事に設置が終わったら思いっきり声を出して叫びましょう。

「入ったーーー!!!」

外には聞こえませんから。

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